落語レコードの世界

 落語レコードの世界

落語レコードの世界/伊藤一樹
単行本: 328ページ
出版社: DU BOOKS (2019/12/13)
ディスクユニオン
言語: 日本語
ISBN-10: 4866471093
ISBN-13: 978-4866471099
発売日: 2019/12/13
ジャケットで楽しむ寄席演芸

『圓生百席』から『THE MANZAI』まで、
音盤の溝に刻まれた名人芸・名録音700枚以上!
眺めて楽しい、聴いて痛快!
“色とりどり”な落語レコードの世界!

[掲載レコード]
桂文楽/古今亭志ん生/三遊亭圓生/林家彦六(正蔵)
/柳家小さん/古今亭志ん朝/三遊亭圓楽/立川談志/
橘家圓蔵(月の家圓鏡)/柳家小三治/林家木久扇(木久蔵)/
桂米朝/笑福亭仁鶴/桂枝雀/桂文枝(三枝)/笑福亭鶴光/
三遊亭金馬/柳家金語楼/桂三木助/三笑亭可楽/
金原亭馬生/林家三平/三遊亭圓歌、等々
そして漫才、講談、物まね、活動弁士、ヴァイオリン演歌まで!

【解説】長井好弘(演芸評論家)
【帯コメント】林家木久扇
【イラスト】 得地直美

 著者・伊藤一樹
 1985年、東京都東村山市生まれ。演芸&レコード愛好家。音大に進学しジャズ・ギタリストを志すも、練習不足により断念。
 書店勤務を経て現在は大手レコード・ショップ、ディスクユニオンで書籍販売担当として勤務している。
出身地の影響かドリフでお笑いに目覚め、TV番組や録音物で演芸にハマり、今は月数回の寄席通いがやめられなくなった。
 最近は円丈、歌司、圓歌、きく麿、太福の会によく出没。副収入を得るべく本書の構想を思いつくも、購入した落語レコード代は本書で得られる収入を遥かに上回る。好物は納豆。練り物が苦手。

  • 圓生百席

    圓生百席

  • 笑点

    笑点

  • やらせろ

    やらせろ

  • 講談

    講談

  • 寄席囃子

    寄席囃子

  • カプリングLP/ソノシート

    カプリングLP/ソノシート

まずは圓生百席。
スタジオ録音は臨場感がないからつまらないという方は圓生百席を聴いてみて下さい。高価だと感じる方は図書館にもありますので大丈夫。ライブというのは目の前のお客様に合わせた噺ですが、この百席シリーズはまるで寝床で聴くことを想定しているかのような呼吸で丁寧に録音されていjます。自宅に圓生師を呼んで自分のために子守唄を聴かせて貰うようです。安眠間違えありません。問題は下げまでたどり着けるか否かです。
CD版とLP版との相違は大きく3つ。最初は、演題の組み合わせが異なること。第一番目は、演題の組み合わせが異なること。例えば第1集では、LP版(3枚組):百年目/猫定/三人旅  が CD版(2枚組):一文惜しみ/居残り佐平次 のように全く異なる組み合わせになっていること。
第二番目は、写真がCD版がモノクロであること。撮影者は篠山紀信さんで同じです。
第三番目は、CD版にはLP版に収録されている箇所が編集で削除されていることです。理由は未確認ですが、不快に感じる可能性がある単語や、内容がカット(CDの完全版も)されていること。ですから聴くならLP版の方が圓生の意図した落語を楽しめるというわけです。
但し例外があります。それは人情噺集成その一~三(本書・第46~8頁掲載)。編集がありませんので、音源的にお宝CDです。写真や印刷物は蒐集家にとって大きいほうが良いですが…。

本書には、LPだけでなく、多くのソノシートが掲載されています。景品(おまけ/ノベルティ)として流通しているものが多々あったためでしょうか。見たことないソノシートが本書に掲載されています。もちろん、志ん生著「びんぼう自慢」の付録「蛙の遊び」(本書・第45頁掲載)、談志家元の「やらせろ/ぐちぐち」(気仕掛女の会~後述)などは検索でヒットしますが、先代圓歌師の「歌奴のおもしろ英語レコード」(小学五年生の付録:1968年6月号/本書・第226頁掲載)や、十七代永井兵動つくば山ガマの油売りに至っては執念を感じさせます。筆者は最近、馬風/談プの掛合い収録ノベルティソノシートを落手とのこと。頭が下がります。
そのほか笑点創成期からのメンバー五代目圓樂師のソノシートにサンタ・ルチアが掲載されてますがなんでしょ?興味深い。上述した談志師のソノシート「やらせろ/ぐちぐち」はコント師の登竜門ラ・ママ(渋谷リキパレス近く)で収録(1982年12月23日~気仕掛(けしかけ)女の会/木村万理さん制作)されました。ソノシートの収録可能な時間を調整するため、談志家元がテーブルに砂時計をおいて客前で即興一人芝居した珍品です。が、会場の照明が暗くて時計の砂が見えずらかったので、収録可能時間を大幅に超えてしまいました。残念。
筆者の収集品は落語だけでなく、寄席囃子、新内、ボーイズ、朗読、声色、音曲、幇間、活弁、売声など多岐に亘ります。本屋さんで見かけたときには、是非お手にとってご覧下さいまし。演芸好きからのお願いです。